古(いにしえ)の旅路を歩いて・・・ [とある風景]
古の路(いにしえのみち)・・・
この参道から先人達は歩きだし、目指しました。 今回は少し歴史に触れながら、足を進める事にしようと思います。
今回のテーマを今一度整理してみる
①古の旅路を歩く。
②夏の終わりのエコロジー
③ワインをもらう
④リフレッシュ
そんな訳で、向かった先は、山梨県富士吉田市。
信仰登山として長く崇められてきた霊峰「富士山」です。
今まで富士山には2度登頂した事があって、1度目は河口湖口から登り、また河口湖口に下りてきて、 2度目は富士宮口から登り、須走口に下りてきたというものだった。 両方とも五合目まで車で行き、そこから山頂を目指し下山するという、今は広く親しまれている登山ルートでした。
今回は、古の路を歩くという目的があるため、古くから富士登山の基点とされていた、富士山麓にある北口宮浅間神社にお参りして登り始める、吉田口からのエントリーとしました。
この北口宮浅間神社は、110年、日本武尊(ヤナトタケルノミコト)が東方遠征の折に、大塚丘より富士山を遥拝し「富士には北側より登拝するのが良い」として、祠と鳥居を建てたのが始まりと云われている・・・。
らしいです(^^)
標高860m 吉田口登山道入り口。
でわ、目指せ3776m! AM11:30
いざ出発です。
この祖霊社という左手から吉田口が始まります。
浅間神社を出発して20分位歩くと吉田遊歩道入り口に着く。
これより標高1100m「中の茶屋」まで、2.1キロ70分。
吉田口登山道は、昔は主要な登山口だったけど、今は5合目からの登山が主流になり、すっかり寂れていて、登山客は僕1人です。
この登山道の左手に沿って車道も整備されているのですが、今回はあえて、自然道を進みました。 歩けど、歩けど「中の茶屋」が見えてこない・・・。
すげー遠かった・・・ ここまでの所要時間は1時間30分。
1時を少し回った所。
手打ちそばという言葉に思わずのれんを潜りそうになったけど、母親におにぎりを作ってもらってたので、向かいのベンチで昼食・・・。
開けてみてビックリ。
小さなテルテル坊主が入っていた(^^)
母親はこういう事するのが、結構好きなところがある。
お腹もふくらみ再度出発。
ここから標高1300mm「大石茶屋」まで2.3km 65分。
その先「馬返し」まで1.5キロ 25分。
順調に行けば1時間半で馬返しだ。
もうこの時点で、汗だくで、結構足に来ている。
少し歩いては休憩して、また少し歩いては休憩の繰り返し。
テクテクと歩いていると目の前に鹿の親子が!?
左の草かげで、何か食べている小さいのが子供?
本日、2度目のビックリ(^^)
でも、鹿が出てきた事によって、さっき途中で見た「熊出没注意」の看板が妙に現実味をおびてきて怖くなってきた・・・。 急げ・・・
やっとの事で、標高1430m「馬返し」到着。
つーか、ここまで遠すぎだよ。(^^;
赤い点が「馬返し」
いよいよ本格的な「古の路」の入り口です。
ちなみに、富士山信仰が本格的に始まったのは平安時代で、江戸時代には富士講という宗教集団があり、富士山信仰が全国に広まっていって一大ブームになり、健康や幸せ、一家繁栄などの現世利益を得ることが出来るとされていたので、我先に登山回数を競うように登っていったみたいです。
この路の横に、数々の石碑が立っているんですけど、その石碑には「登山三十三度大願成就」と書かれているものや、八十八度大願成就と彫られている石碑もありました。
多い人では245回登った人も居るみたいです。
禊所(みそぎじょ) これより先は聖域とされていたので、ここから先に進む者は、ここで身を清めてから入山して行くみたいなので、一応、気持ちだけは神聖な気持ちで入山です(^^)
PM2:40分 標高1520m 一合目
「鈴原天照大神社』に到着。
予定より約2時間30分遅れで到着・・・。
というのも、三連休の初めで、中央高速自動車道が大渋滞で、大幅に登山開始時間が狂ってしまったのです。ヤバっ・・・
二合目 標高1700m 富士御室浅間神社
三合目 標高1840m 見晴し茶屋
四合目 標高2100m 小さな、祠(ほこら)
四合五尺 標高2150m 御座石
明治時代の初めまでは、女性はこの御座石までしか登れず、男性も修行が必要だったらしいです。
渋滞で失った時間を取り戻そうと、クツ紐が緩んでいるのも放っておき急ぎ足になる。 しかし、この事が元で、後に思わぬ事になっていくとは・・・。
五合目 標高2305m 「佐藤小屋」に到着。
「中の茶屋」を出発してから開いている売店は、この佐藤小屋までないのも結構キツイ。
六合目まで行く途中に、日蓮上人が修行したといわれている場所があり、立派な銅像が建っている。
日が傾きだし、霧が出てきた。
富士信仰登山としての歴史を感じさせてくれた吉田口登山道も、六合目(標高2390m)で、河口湖口登山道と合流する。
これより、今回お世話になる山小屋のある七合目(2700m)の鎌岩館さんまで約一時間半かかる。 実はこの時右足付け根から股関節がすげー痛かった。 クツ紐が緩んでいて靴ずれをおこし、かばって歩いているうちに耐え難い痛さになっていた。 風も強くなってきて肌寒い。 とりあえず山小屋まで行けば風も避けられて暖も取れる。
こうなったら、得意の「ゆっくりでも良い、一歩一歩登ればいいさ」作戦を実行。
空を見上げると、十五夜お月様の一日前だけど、
まん丸なお月様が顔を出していた。
遠くに七合目山小屋が見えている
初めて登った時は夜間登山だったんだけど、その時も感じたのが、標高2000m以上で見る夜空は、星との距離を実際に感じる事が出来た。
太陽の十分の一の明るさといえ、実際の登山道は写真より暗いです。
完全にスタートからつまずいた・・・
山小屋に着いたころは、あたりは真っ暗。
1番遅いチェックインとなってしまった
。
出発地の浅間神社から通常だと、6時間で登ってこれるらしいけど、約7時間半も掛かってしまった。 六合目からも2時間掛かったし・・・。
事前連絡より一時間半も遅れていたけど、温かいお茶をだしてくれました。 山小屋での説明を聞いている途中に、食事が運ばれてきた。 というのも、山小屋の夜は早く、消灯は8時だからあまり時間がなかったからかな?
すごいボリューム! 今日3回目のビックリ!
カレーライスと紅鮭はサービスらしい。
山小屋の営業は明日で終わり。
余っちゃたのかな?(^^)
食事を終え、澄んだ空気を吸いに外へ・・・。
すげー「古の路は長かった・・・」
山頂方面を見ても八合目までしか見えないが、頂上が遥か遠くに感じる。 明日登れるのだろうか? とりあえず、マッサージをして、寝るまでに出来るだけケアして一晩寝てみて決めることに。
起きた時の症状が不安だけど寝る事にします。
パッチ、パッチっと、炭のはじける音がなんともいえない。
少しの間 暖をとり、長い長い一日目が終わりました。
あ~、足が痛い・・・
明日の朝は4時半起床です。
雲の中を下に降りていく、あの記憶は、今も目に焼き付いています。同時進行ですよね、どうぞお気をつけて、、。
by みちあき (2008-09-18 08:43)
何が素敵って、
おにぎりの中のテルテルボウズ!!
これ感動だな。 ふっと笑顔がこぼれちゃう。
by えどもん (2008-09-18 10:17)
こういうルートもあったんですね。
by マリンかもめ (2008-09-18 11:09)
>みちあきさん
無事下山いたしました。ありがとうございます。
みちあきさんが登った時、もあいにくの天気だったんですか?
スカッと晴れてくれれば、夕方雲に映る影富士というのが見えたらしいです。残念(^^)
by 鈴木浩司 (2008-09-19 19:46)
>えどもんさん
うちの母親はこういうのが結構好きなんですよ。
フランス大会の時に、カズと北澤の新聞の切り抜きが入ってた時には、胸が締め付けられました(^^)
テルテル坊主を見たときは、気が張ってたけど穏やかな気持ちになれました。
by 鈴木浩司 (2008-09-19 19:49)
>マリンかもめさん
あまりにも長かったです(^^;
やっぱり頂上を目指すなら五合目からがいいかも(^^)
でも、良い経験になりました。
by 鈴木浩司 (2008-09-19 19:51)